「感覚を開く」

「感覚をひらく学びの時間」

最後に土の上を歩いたのは、最後に土に触ったのはいつでしょう?

命の源である土、光、水。中でも、土はちょっと地味? 都会生活の中では、土はもっとも追いやられがちな存在かもしれません。 春の息吹に満ちる頃、地味だけどエッセンシャルな土に意識を向ける、 気づきの時間をみなさんと共有できればと考えました。 “世界が鮮やかに見えるフィルター”を持ち帰っていただければ、そんな思いで、 今回は、3人のゲストにおいでいただきます。 香り、植物、生き物、土。 彼らのセンサーがとらえている世界に触れていただく機会になればと思います。

小沼訓子

AKOMEYA TOKYO in la kagū 2F soko

ディレクション

小沼訓子 (組む東京)

講師

釜屋 憲彦

沙里 かほりとともに

近藤 義展 (TOKIIRO)

トークセッション

スピーカー 釜屋 憲彦

聞き手 小沼 訓子 (組む 東京)、近藤 義展 (TOKIIRO)

Creation1

「ミミズになって土壌を考える」

2022年3月12日(土)18:00- AKOMEYA TOKYO in la kagū 2F soko

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ミミズになって土壌を考える Youtube

土壌動物といえばミミズを真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。続いて私が思い浮かべるのは、ダーウィンです。人類史上、最もミミズの色々な顔を目撃したのは進化論で有名なチャールズ・ダーウィンだと思います。それは約40年にわたりミミズを追いかけた記録、『ミミズと土』(平凡社)を読めば明らかです。そこで、ぜひともトークの皮切りにダーウィンの発見したミミズの習性の話を語ってみたいと思います。 日本の土壌は、世界でも貴重なミミズの産地です。未発見のものも含め、約500種以上のミミズが日本にいると推定されています。畑や公園にいるミミズはどんな種なんでしょうか。私たちの暮らしとどのように繋がっているのでしょう。皆さんとミミズになって考えるトークイベントです。

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イラスト 小沼日佳理

Creation2

「内蔵と土と食のはなし」

2022年3月25日(金)18:00- AKOMEYA TOKYO in la kagū 2F soko

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内蔵と土と食のはなし

私たち人間の内臓の内側は、果たして人間の表なんでしょうか、裏なんでしょうか。

なぜこんな疑問が湧いて来るかと言いますと、内容環境が植物の根と土の間にできる小さな空間「根圏」にそっくりだからです。根圏では、植物の根の分泌物と微生物とによって活発な化学反応が絶えず生じ、根はそこから栄養をスムーズに得ています。それはまるで動物の内臓です。植物は根圏、人間は大腸に、それぞれ微生物を呼び寄せる栄養を用意しているわけです。すると私たちが空気から吸い込むもの、食べるものはきっと内臓に暮らす微生物に影響を与えます。いかに微生物に優しい「根圏」をつくることができるのか。そんな話を念頭にお話できればと思います。

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イラスト 小沼日佳理

Creation3

「うんちを食べる虫を飼ってみた」

〜もしうんち虫がこの世にいなかったなら〜

2022年3月26日(土)18:00- AKOMEYA TOKYO in la kagū 2F soko

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「うんちを食べる虫を飼ってみた」

うんちを食べる虫を飼育していたことがあります。センチコガネという、見た目の美しい、輝く昆虫です。センチコガネにとって動物の糞は食べ物であり、産卵場です。特に産卵するためには糞を地下に埋める必要があり、彼らは頑張って糞をバラバラにし、あらかじめ穴を掘っておいた場所まで運ぶのです。こんなことがあらゆる森で行われています。奈良公園はセンチコガネのパラダイス。せっせと鹿の糞を公園の地下に埋め、掃除をしてくれているそうです。 もしうんちを地下に運ぶ虫たちがいなくなったなら地球はどうなるか。それは土壌、そして私たちの暮らしとどんな関係があるのか。ミクロからマクロの視点まで想像を巡らせてみたいと思います。

釜屋 憲彦

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イラスト 小沼日佳理

釜屋 憲彦

島根県松江市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科認知科学分野修士課程修了。株式会社スマイルズ、森岡書店の書店員を経て独立。現在、幼児から高校生までを対象に自然科学・哲学の講師を勤める傍ら、生物が独自に体験する世界(環世界)をテーマに研究、執筆活動を行う。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。

2022.08.13